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星の物質循環と生物の細胞
ビッグバンで宇宙が誕生した時には、宇宙には水素とヘリウム、ごくわずかのリチウムとベリリウムしか元素は存在しませんでした。

しかし現在、私たちの周りには、酸素や窒素、炭素や鉄といった様々な元素があります。


これら身の回りの元素、例えば生物の細胞に含まれる炭素、空気中の酸素はもちろんのこと、岩石やコンピューターのチップを構成するケイ素や、血液や機械の材料になる鉄などは、宇宙が生まれてから現在までの137億年間に星の中で作られたものです。

星の内部で形成された元素を宇宙空間に放出するのは、「数十億年前に起こった恒星の『爆発』」です。


比較的質量の小さな星(太陽くらい)の場合には、中心部で作られた炭素や酸素の一部は恒星内部の対流によって外側まで運ばれ、恒星風となって宇宙空間に流れ出し(爆発はしません)『惑星状星雲』となります。

それよりも重い星の場合は、『超新星爆発』によって大量の元素を高速で宇宙空間にまきちらします。

さらに、『非常に高温になる超新星爆発』の瞬間にはさまざまな元素合成反応が進み、金や銀といった鉄よりも重い元素が作られ、他の元素と一緒に宇宙空間に散らばります。


こうして宇宙空間にばらまかれた元素は、やがて周囲の星間物質と混ざり合い、次の世代の星の材料となります。

このようなプロセスを何度もたどることで、宇宙の中にいろいろな元素が少しずつ蓄積されていきます。

私たちの体を作る炭素や酸素、身近なところにある鉄や金や銀などすべての元素は、太陽系が生まれる前に宇宙に輝いていた星の中で作られたものなのです。


星は生まれ、そのなかで新たな元素をつくり、それを宇宙空間に戻すことで、宇宙をより豊かな場所にしています。

私たちの地球はそうしてつくられ、私たちは死んでいった星のおかげで生まれることができたのです。


光り輝く大イベント超新星爆発が、広大な宇宙では『1秒に1度』の頻度で起こっています。

これほどの爆発が地球の周囲でめったに起こらないのは幸運と言えます。

われわれの銀河で最後に超新星爆発があったのは1604年(地球からおよそ2万光年離れたところ)のことです。

そんな超新星爆発が、もし数光年程度の近距離で起これば、地球は死の放射能に包まれることになります。


「これまでの無数の超新星でそうだったように、この爆発で放出された成分もやがては新しい星になる。中には惑星に育つものだってあるかもしれない。それを観測できるのは幸せだよ」(学者談)


私たちの銀河系のすぐ隣にある大マゼラン雲では、1987年に超新星1987Aが出現しました。

大マゼラン雲は南天の天体なので日本から見ることはできませんでしたが、東京大学の小柴昌俊名誉教授はこの超新星爆発で発生したニュートリノを検出しニュートリノ天文学を切り開いた功績が認められ、2002年のノーベル物理学賞を受賞しました。

ニュートリノ(Neutrino)は、素粒子のうちの中性レプトンの名称。中性微子とも書く。(ウィキペディアより)

ニュートリノ天文学は、太陽や超新星爆発で生成されるニュートリノを観測し、天文現象の解明に役立てることを目的とする。

日本の観測装置としてはカミオカンデ(解体済み)、スーパーカミオカンデ、カムランドがある。(ウィキペディアより)


ニュートリノのやさしい解説(東北大学ニュートリノ科学研究センター 白井淳平)(リンク)

東京大学宇宙線研究所(ニュートリノについて)(リンク)

「ハッブル・ヘリテッジ」Heritage(遺産)(リンク)


天文学者が経験している宇宙の神秘に対する畏敬の念と興奮を、一般の人と分かちあいたいと考え、撮影された天体を最新かつ細心の技術により画像処理し、自然な色の天体の姿を再合成したもの